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勝手に動くワイパートラブル/マセラティギブリ
2023年09月03日
朝一番のエンジン始動後にワイパーが勝手に動いて止まらなくなる…M157モデル/マセラティギブリの作業です。
その他にもトラクション等の警告ランプが点灯したりする不具合も発生する模様ですが、入庫時には症状は全く発生せず。
テスターを接続してDTC(故障コード)診断を行なうと、予測通りのステアリングコラムモジュール通信途絶履歴。
各ECUがステアリングコラムモジュール(SCCM)との通信喪失を検知している状態ですが、入庫点検時にはSCCMも正常起動して制御している為、不具合症状も未発生。
ステアリングコラム廻りの制御を行うSCCMが正常に起動しない状態に陥ると、ワイパー操作スイッチシグナルの制御を直接行うECUのため、先のワイパートラブルが発生してもおかしくない状態です。
またステアリングアングル(ステアリングの操作角度)センサー値情報もSCCMがCAN出力しなくなるので、それに伴ってトラクションコントロールのECUはステアリングアングルセンサー値欠落によって制御不能=警告ランプ点灯症状も発生してしまう症状です。
電源及びネットワークライン等に問題が無いにもかかわらずECUの通信途絶が発生する場合は、ECU内部制御不良の可能性が高く、その場合はECU交換になるケースが多いです。
今回のギブリの場合、SCCM内部起動不良発生により、ステアリングコラムモジュールの交換作業を実施。
SCCM交換/セットアップ後はモジュールの正常制御を確認し、症状の再発が無いか点検して作業完了です。