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タンブルフラップの固着トラブル/ベンツE300
2022年11月15日
W211型ベンツE300の作業です。
W211後期モデルに採用されている7G-Tronicミッションは、事例の多いバルブボディトラブルを未然に防ぐ為、フィルター交換を含めた定期的なフルードメンテナンスを推奨されています。
無事フルードメンテナンス作業も終え、フルードレベルチェックと併せてDAS診断機にてショートテストを実行すると、インテークマニホールドのタンブルフラップトラブルが発生しているのが発覚。
W211後期に搭載されているM272エンジンでは、走行状況に応じてインテークポートを可変させる機能(インテークマニホールドランナーコントロール)が備わっています。
具体的な制御システムは、MEコントロールユニットによりバキュームソレノイドのON/OFF制御を行います。
それによってタンブルフラップのバキュームアクチュエーターが作動するのですが、現車はバキュームコントロールによる負圧制御は正常に行っている=アクチュエーターは正常に駆動しているにも拘らず、タンブルフラップポジションを監視しているセンサー値はロングポジションのまま変動していない状態。
ここから先の点検作業はインテークマニを取り外す必要性があり=逆に言えば純正部品での修理作業では、インテークマニホールド交換という図式になります。
インテークマニホールド内を覗くと、インテークポートを可変させるためのタンブルフラップが確認できます。
このフラップは、先のバキュームアクチュエーターに連動して、レバー駆動にてON/OFF(ロングポート/ショートポート)に可変します。
しかしバキュームアクチュエーターから左右レバーへと駆動伝達させるためのパーツが破損し、アクチュエーターが正常に作動しても両端のレバーが動かせず=タンブルフラップは可変しないトラブル。
M272エンジンのタンブルフラップ固着トラブルの多くは、この樹脂製レバーの破損により発生している定番故障内容。
純正部品供給としてレバー単体は存在しないのですが、社外製品にて金属製の改善部品が存在しています。