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ME9.7リビルトユニットによる修理法/ベンツCLS550
2020年03月04日
チェックエンジン警告が点灯し、突然エンジンが極端に調子悪くなる…というトラブルでご入庫頂いた、W219型ベンツCLS550の作業です。
DASを使用して入力されているDTC(故障コード)を確認すると、O2センサー及びスロットルバルブ等のエラーが同時に入力されています。
一応念のため、O2センサーのシグナル実測やスロットルバルブの点検等を実施しますが…
エラー発生時に同時入力されるコード0450及び0454が存在している場合、
その不調原因の多くは、エンジンを制御しているMEコントロールユニットの内部制御不良の可能性が濃厚です。
M273型エンジンより制御ユニットであるME(マネージメントエンジン)ユニットは2.8から9.7へとバージョンが変更され、エンジン上部にマウントされています。
このME9.7ユニットでは、搭載されている位置関係に影響するのか、様々な症状に対するユニット内部トラブル頻度が高く感じます。
最も多いパターンは、冷間時は正常なのに熱をもつとフューエルポンプコントロール出力をしなくなりエンジンがかからない、また電動ファンの動作不良や片バンク全てがミスファイヤー発生等…。
ME9.7ユニットはかなり高額+現在メーカーでは外販禁止部品に指定され、且つ交換する際はもちろんオンラインによるSCN(ソフトウェアキャリブレーションナンバー)コーディングが必要。
正規ディーラーでは新品交換対応となりますが、修理費用を抑える手法としては、例えば現物修理や中古部品の個別化解除&データー転送処置等、様々な選択肢が存在します。
今回のCLSでは、本国より取り寄せた新品基盤をベースにしたリビルトME9.7を使用して、現車のMEよりデーター転送処置による修理法。
現車へ個別化されたリビルトMEを作動させ、DASにて各種基本学習の実行。
現在おそらくディーラーでは行なっていない修理内容(リビルトME)ですが、新品部品に比べ大幅に部品価格が抑えられ、且つ中古品ベースで無いので信頼性もより高いと思われます。