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ISMトラブルとその対処/ベンツS500
2020年03月04日
スターターが作動せずエンジンが始動できない状態に陥り、レッカーサービスにてUGへ入庫ご入庫頂いた、W221型ベンツS500の作業です。
メーターディスプレイには「ギアチェンジせず」の警告メッセージが表示、シフト操作が行えない状態で、セルを廻すことが出来ません(Pポジションと認識できない為)
DASによるDTC(故障コード)診断では、インテリジェントサーボモジュール(インテリジェントパワーステアリングモジュール/ISM)の内部故障が検知されてしまっている状態。
ベンツのSクラスではW221モデルより、ダイレクトセレクトと呼ばれるシフト操作となり、所謂「シフトレバー」は電子スイッチとなります。
そのダイレクトセレクターによるシフトポジションシグナルを、ミッション側面に設置されたISMにてモーター駆動で制御。
このISM、VIN(車体番号)により個別化されたセキュリティ関連部品となり、一般的には外販禁止指定部品(正規ディーラーでの修理対応のみ供給)となっています。
今ではW221系の中古部品も多く出回っていますが、先にも述べた通りISMは車番によって個別化ロックされたユニットなので、中古(他車使用)部品をそのまま装着しても作動しません。
現車に装着されていたISMのプログラムを、個別化解除した中古ISMへデーター転送。
もちろん純正診断機であるXENTRYでは行えない内容なので、正規ディーラーでは「中古部品は使用不可」と言われます。
しかし、データー転送による中古ISMの使用修理法は可能な内容で、高額な新品ISM交換だけが選択肢ではありません。
今回のW221も現車キャリブレーションも無事学習し、中古ISM正常作動/エンジン始動復帰です。